マンション床リフォーム
2022.10.31 部屋・床全面改装 マンションの床をリフォームする際は「管理規約」や「細則」によって、床面に使用するフローリング材の遮音等級の制限を設けることが一般的なので、遮音性のある床材を選ぶ必要があります。最近ではマンション管理組合の管理規約が厳しくなってきており、LL-45もしくはLL-40の遮音等級基準を満たしたフローリング材の使用が義務づけられています。
※遮音等級について
遮音等級は、L値(えるち)とよばれ、LL(えるえる)と、LH(えるえっち)があります。
LLも、LHも数字が小さいほど性能がよいことになっています。
LLとは、軽量床衝撃音のことで、床にスプーンなどを落とした時に、発生する小さな高い音に対する遮音等級です。
LHとは、重量床衝撃音のことで、ボーリングの玉などを落とした時のドスンという大きくて、低い音の遮音等級です。
〇マンションの床のリフォーム法
①直床工法
メリット
直床工法では支持ボルトを使用しないので床を低く施工でき、天井を高くすることができるので開放感のある空間になる。
デメリット
遮音性が低くなるので、足音や物を落とした音などが下の階の天井に響きやすい。
②二重床工法
床板を二重にした工法のこと。床スラブと呼ばれるコンクリートの床と、フローリングやカーペットなどの床材との間に空間を作る。空間には緩衝材などを取り付けるのが一般的。
メリット
遮音性が高い。土台と内装の間に空間ができるので、配管の移動がしやすい。
デメリット
太鼓現象が起こることがある。太鼓現象とは音源に近い膜と反対側の膜との間で、空気がバネのように反発する現象のこと。二重床には音を伝えないという効果はあるが、施工方法によっては床と内装の間にある空気によって太鼓現象が起きることもある。
③重ね貼り工法
重ね貼り工法は上張り工法ともいい、既存のフローリングの上に新しいフローリング材を重ねて張っていく方法。
基本的にはフローリングからフローリングへの張り替えの際にのみ可能な工法。
メリット
既存のフローリングをはがす工事をする必要がなく、ゴミがでない。工期も短くなり、費用を抑えることができる。
デメリット
新しく張ったフローリング材の厚みの分だけ部屋全体の床が上がり、敷居や造り付けのクローゼットなどとの高低差が変わる。
面積/82.5㎡ 築年数30年 構造/鉄筋コンクリート
中古のマンションを、第二の人生のための住居として購入し、リフォームされました。
購入されたとき、床の一部にたわむ部分がありました。これから長く住まうことを考え床を施工し直すことになりました。その際階下への音の影響も考慮しました。また。床材は施主様がこだわってお選びになりました。
以前の居住者が猫を飼っておられたので畳や壁がかなり傷んでいます。
リビングのフローリングも剥がして、床下からリフォームすることになりました。
〈リフォーム前の問題点と施工プラン〉
このマンションは二重床工法であるにもかかわらず、LL-40のコンクリートスラブ直貼りフローリングが施工されており遮音がとれていませんでした。
今回の施工プランとしては、既存の二重床に戻し、制震材と捨て張り合板で下地を安定させたうえに仕上げの床材を張ることになりました。
素足で歩いたときの感触を大切にされたいという施主様のご希望で、床材にこだわったお部屋となりました。和室以外はビニールと織物が融合した新感覚の床材(サンゲツ、ココフロア)を使用しています。ペットを飼っておられますが、強度があり汚れにくいので手入れのしやすい素材です。
施主様のご希望で、和室はあえて畳ではなく、なぐり加工のフローリングでしあげました。